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手術後に目が動かない眼窩骨折②

19.07.18

カテゴリ:医院ブログ

手術後に目が動かない眼窩骨折②

このCTを見て次にやらなければいけないことは
前医の治療内容を知ることでした。

CTから大体の状況が掴めるのですが
まだ上顎洞内にバルーンがあるように見えますし
どのようにアプローチするかの検討が必要だったためです。

そこで前医の形成外科医に電話しました。
現状がこれこれこのような状態で緊急手術が必要だと思いますが
こちらでさせていただいてもよろしいでしょうか?
またそちらではどのような手術をされましたか??

その返答は、、、、、
あーそうですか。じゃあバルーンの中の水を1cc抜いてみてください。

・・・え?下直筋に骨が刺さっていて緊急手術が必要な状態なのに??
これで決定しました。この形成外科医は眼窩骨折を何にも理解していない。

現状が如何に悪い状態か、理解しようともしない。
患者さんが手術によってむしろ不幸になっていることに気付こうともしない。

わかりました。とにかく手術が必要なので手術内容と手術前のCTを焼いて送ってください。
そう言って電話を切りました。

以前書いた通り、眼窩骨折をスペース側から治すことは出来ないのです。
なぜなら、羽毛布団で例えると、押し入れから布団が出ている状態で押し込んでもどうなるか分からないのです。

さらに言うなれば、バルーンで押し上げるということは
テレビでお笑い芸人が罰ゲームで使うような大きな風船を膨らませるようなものです。

押し入れから出ている布団の前に大きな風船を置いて
膨らませて、布団がもとに戻りますか???

そもそも布団は風船の向こうにあるのですから
まったく見えていない状態になってしまうのです。

今回の患者さんは風船を膨らませすぎて
布団ごと押し入れのふすまも一緒に押し入れに無理やり突っ込まれたような状態だったのです。。。。。

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2018年手術実績 3046件
群馬大学 眼科 非常勤講師
涙道涙液学会 理事
オキュロフェイシャルクリニック東京 中央区銀座1丁目ビル8F
03-5579-9995
http://www.oc-tokyo.com/
新前橋かしま眼科形成外科クリニック 前橋市古市町180-1
027-288-0224
http://www.kashima-oc.com/

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